つらむ(読み)ツラム

デジタル大辞泉 「つらむ」の意味・読み・例文・類語

つ◦らむ

[連語]《完了の助動詞「つ」の終止形推量の助動詞「らむ」》…てしまっているだろう。…ただろう。
「橘の照れる長屋寝し童女うなゐ放りに髪上げ―◦らむか」〈・三八二三〉
「思ひつつ寝ればや人の見え―◦らむ夢と知りせば覚めざらましを」〈古今・恋二〉
[補説]上代では「つらむか」、中古以降では「や…つらむ」の形をとることが多い。また、中世以降は「つらう」「つら」などと音変化した。「らむ」に比べ、多く現在に近い過去の事柄を推量する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「つらむ」の意味・読み・例文・類語

つ‐・らむ

  1. ( 完了の助動詞「つ」の終止形に推量の助動詞「らむ」の付いたもの ) 完了した事態の推量を表わす。…したろう。…してしまっているだろう。中世(室町時代)以後は「つろう」の形で用いられた。
    1. [初出の実例]「たけばぬれたかねば長き妹が髪このころ見ぬに掻き入れ津良武(つラム)か」(出典万葉集(8C後)二・一二三)

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