1997年、英国が香港の中国に返還する時に香港市民に与えた英国民としての資格。正式名称は「British National (Overseas)」(BNO)。返還前の「海外領の市民」という英国民としての資格が失われる代わりに、同資格を英国が香港市民に付与した。同資格を保有していれば英国のパスポートが発行され、査証(ビザ)なしで同国に6カ月滞在できる。2020年7月、中国政府が香港に対する厳しい国家安全維持法(国安法)を施行したのを機に、英国は同資格の規定を変更し、BNOパスポートの保持者とその扶養家族は21年1月から英国の特別査証を申請できるようになると発表した。申請後は、2回に分けた30カ月の長期滞在か、5年間の長期滞在の許可を申請することが可能になる。その後、英国は永住権や市民権の申請も可能にする方針を示しており、中国政府は内政干渉だとして反発している。