荷葉(読み)カヨウ

デジタル大辞泉 「荷葉」の意味・読み・例文・類語

か‐よう〔‐エフ〕【荷葉】

ハスの葉。
夏に用いる薫物たきものの名。ハスのにおいに似せたものという。
「ただ―を一種ひとくさ合はせ給へり」〈梅枝
荷葉皴かようしゅん」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「荷葉」の意味・読み・例文・類語

か‐よう ‥エフ【荷葉】

〘名〙
① はすの葉。はちすば。
万葉(8C後)一六・三八三七・左注「於是饌食盛之皆用荷葉
※正法眼蔵(1231‐53)行持「松実を食し、荷葉を衣とす」 〔高適‐漁父歌〕
② 薫物(たきもの)の名。六種(むくさ)の薫物の一つ。蓮の花の香に似せたもの。沈香、丁字香、甲香藿香(かっこう)白檀香、甘松香、熟鬱金香を練り合わせたものというが、別の説もある。夏、用いる。
源氏(1001‐14頃)梅枝「ただ荷葉を一くさ合はせ給へり。さまかはり、しめやかなるかして、あはれになつかし」
③ 「かようしゅん(荷葉皴)」の略。〔芥子園画伝‐一・画学浅説入〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「荷葉」の解説

荷葉 (ハス・カヨウ)

学名Nelumbo nucifera
植物。スイレン科の抽水性多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の荷葉の言及

【ハス(蓮)】より

…【伊藤 元己】
[薬用]
 ハスのほぼすべての部分が薬用とされる。生薬ではれんこんの節部を藕節(ぐうせつ),葉を荷葉(かよう),葉柄を荷梗(かこう),花のおしべを蓮鬚(れんしゆ),果実を石蓮子(せきれんし),種子を蓮子芯(れんししん),果托を蓮房(れんぼう)という。葉,おしべ,果実および種子にアルカロイドを含む。…

※「荷葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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