葛・蔓(読み)かずら

精選版 日本国語大辞典 「葛・蔓」の意味・読み・例文・類語

かずら かづら【葛・蔓】

〘名〙
蔓草(つるくさ)総称。かずらぐさ。つるくさ。つる。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
源氏(1001‐14頃)夕顔「いと青やかなるかづらの、心地よげにはひかかれるに」
② 桶などの箍(たが)をいう。
※俳諧・曠野(1689)員外「夏の日や見る間に泥の照付て〈荷兮〉 桶のかづらを入しまひけり〈昌碧〉」
③ 建築で、基壇や縁束(えんづか)の上端に置く水平の材。葛石、縁葛など。→葛石(かずらいし)
漁網の一種。
日葡辞書(1603‐04)「Cazzura(カヅラ)〈訳〉ある長い網で、それで魚を囲いこんでとる。通常、前には松明(たいまつ)が置かれる」

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