葛井広成(読み)ふじいのひろなり

改訂新版 世界大百科事典 「葛井広成」の意味・わかりやすい解説

葛井広成 (ふじいのひろなり)

奈良時代の文官,詩人歌人生没年不詳。渡来人系ではじめ白猪史(しらいのふびと)を称し,719年(養老3)遣新羅使に任ぜられたが,これを辞す。翌年葛井連(ふじいのむらじ)の姓を賜る。以後歴官して正五位上中務少輔に至る。《万葉集》に短歌3首を残し,《懐風藻》にも漢詩2首を残している。また《経国集》には731年(天平3)の対策3編が収められている。〈春さればををりにををりうぐひすの鳴くわが山斎(しま)そ止まず通はせ〉(《万葉集》巻六)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「葛井広成」の解説

葛井広成 ふじいの-ひろなり

?-? 奈良時代の官吏
はじめは白猪史(しらいのふひと)を名のる。養老3年(719)遣新羅使(けんしらぎし)となる。4年葛井連(むらじ)の氏姓をあたえられた。備後守(びんごのかみ)などをつとめ,中務少輔(なかつかさのしょう)となる。「万葉集」に歌を,「懐風藻」に漢詩をのこしている。

葛井広成 かどいの-ひろなり

ふじいの-ひろなり

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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