相国(しょうこく)寺鹿苑(ろくおん)院内の蔭凉軒主がしるした公用日記。足利義満(あしかがよしみつ)は禅宗寺院の人事行政を総轄する僧録(そうろく)の職を置き、これを鹿苑院に住まわせ、義持(よしもち)はその南に、参禅聴講のため蔭凉軒を創設した。その蔭凉軒の留守居(るすい)役をやがて蔭凉軒主とよぶようになるが、軒主は鹿苑僧録を補佐し、僧事に関する将軍への披露取次を行い、一時は僧録をもしのぐ勢力を誇った。日記の中心記事は僧職の任免で、現存するのは季瓊真蘂(きけいしんずい)、益之宗箴(えきしそうしん)、亀泉集證(きせんしゅうしょう)の時期、すなわち1435年(永享7)から93年(明応2)までの断続的な記録である。ただし益之の時期の分は亀泉の筆になる。また継之景俊(けいしけいしゅん)の日記が『鹿苑日録』に混入し、1553年(天文22)から72年(元亀3)までの記事が断片的に残されている。原本は関東大震災によって焼失したが、尊経閣(そんけいかく)文庫にその影写本が架蔵されている。『大日本仏教全書』本は多くの錯誤を含むが、『増補続史料大成』本で訂正されている。
[田中博美]
『玉村竹二著「『蔭凉軒日録』考」(『日本禅宗史論集 下之一』所収・1979・思文閣)』▽『玉村竹二著「蔭凉軒及び蔭凉職考」(『日本禅宗史論集 上』所収・1976・思文閣)』
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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