中国、南朝梁(りょう)の皇太子。字(あざな)は徳施。武帝蕭衍(しょうえん)の長子。太子在位中病死し、昭明(しょうめい)と諡(おくりな)されたので、昭明太子とよばれる。父の武帝は、前代の斉(せい)の竟陵(きょうりょう)王蕭子良の文学サロンに出入りした竟陵の八友の一人であり、文人としても当代一流の人物である。昭明太子を中心に劉孝綽(りゅうこうしゃく)、王筠(おういん)らの文学集団が形成されたのも、文学を愛好した武帝の影響が大きい。この文学集団を背景とする昭明太子の『文選(もんぜん)』は、文章詩賦の正統的標準をアンソロジーによって示そうとしたものだが、六朝(りくちょう)美文の世界が典型的に集約されており、貴族的な彼らの文学観がよく現れている。詩人としての評価は一般に父や弟の簡文帝蕭綱(しょうこう)に劣るとされる。
[成瀬哲生]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中国の六朝の梁代に編まれた詞華集。編者は梁の武帝の長子,昭明太子蕭統(しようとう)。30巻。…
※「蕭統」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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