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皇太子 こうたいし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

皇太子
こうたいし

一般には君主の地位を継承する第1順位の人をいう。古来,日本では,日嗣御子 (ひつぎのみこ) ,東宮などの別称がある。皇子,皇兄弟,皇従兄弟などの皇族のなかで立太子の儀式を受けたものが皇太子となったが,2人以上が立てられる場合もあり,皇位を継承しない場合もあって,律令制のもとでは,皇太后,皇后よりも低い地位に規定されていた。立太子の儀は「貞観儀式」で規定され,立太子宣会,立太子節会などの式次第が行われるようになった。醍醐天皇のとき,壺切の剣を立太子式に際して相授するならわしが確立した。立太子式は 14世紀以降,廃絶されていたが,天和3 (1683) 年に復活した。 1889年『皇室典範』が制定され,皇太子の地位が定まった。この規定では皇太子は皇位継承の第1順位者を意味し,男系の皇長子が,皇長子のないときは男系皇長孫というように,その順位に従ってこの地位につくこととなった。したがって皇太子は天皇の死後当然に皇位を継承し,併立されることはない。皇太子は皇族の身分を離れることができず,18歳に達すれば,摂政の第1順位者ともなる。立太子礼は,皇太子の身分を取得したことを国内外に通告する意味をもっている。皇太子に付属する職制は,大宝令のなかに東宮坊の規定があり,のち,その居所は東宮御所,その付属機関は東宮職と呼ばれている。東宮職には,東宮大夫,東宮侍従などの職がおかれている。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐たいし〔クワウ‐〕【皇太子】

皇位継承の第一順位にある皇子。東宮。春宮(とうぐう)。

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百科事典マイペディアの解説

皇太子【こうたいし】

皇位継承者(皇嗣(こうし))たる皇子。皇嗣が皇孫なら皇太孫。他の皇族と異なり皇族の身分を離れることはできない。成年は満18歳。摂政就任順位は第1位。東宮(とうぐう)ともいい,その居所を東宮御所という。
→関連項目親王徳仁文徳天皇立太子

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世界大百科事典 第2版の解説

こうたいし【皇太子】

天皇の位を継ぐべき皇子。たんに太子ともいい,〈ひつぎのみこ〉〈もうけのきみ〉,東宮,春宮,儲君(ちよくん)ともいう。皇太子は,天皇在位中に,皇子,皇孫,皇兄弟またはその他の皇親のうちから定められ,立太子の儀が行われるのが恒例である。立太子の儀式がはじめて知られるのは,《貞観儀式》の立皇太子儀である。それによると,紫宸殿の前庭において,親王以下百官が参列し,宣命大夫が立太子の宣命を読み上げるもので,この儀は近代に至るまで踏襲されている。

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大辞林 第三版の解説

こうたいし【皇太子】

次代の天皇となるべき皇子。東宮。春宮とうぐう

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

皇太子
こうたいし

皇位を継承するべき皇子で、太子ともいう。その居所や役所の名から、東宮(とうぐう)、春宮(とうぐう)(はるのみや)、坊とも称し、天(あま)つ日嗣(ひつぎ)(皇位)を継ぐ皇子の意味で「ひつぎのみこ」ともいう。儲君(ちょくん)、儲弐(ちょじ)などの称もある。律令(りつりょう)には、とくに皇太子の規定はなく、皇女、皇弟、皇孫などが皇太子となる場合もあり、また1人とは限らなかった。皇太子の身位は、立太子礼(りったいしれい)によって定まった。立太子礼では、平安前期の宇多(うだ)天皇以後、皇太子の護身刀とされる壺切(つぼきり)の剣(つるぎ)が相伝された。立太子礼は、室町初期の後小松(ごこまつ)天皇以後行われなくなり、江戸前期に至って霊元(れいげん)天皇の皇嗣(こうし)(東山(ひがしやま)天皇)の立太子にあたり復興した。310余年に及ぶ立太子礼の廃絶中は、皇嗣が皇太子と称することなく皇位についたが、以後は、まず皇嗣を定めて儲君と称し、のち立太子礼を挙行した。1889年(明治22)「皇室典範」が制定され、定められた順序により、皇嗣たる皇子(または皇孫)が、生まれながら皇太子(皇太孫)となることとなった。そのため立太子礼は、皇嗣であることを改めて内外に示す儀式となった。皇太子(皇太孫)は満18年で成人となり、以後は摂政(せっしょう)の第一順位者となる。皇太子の順位は、三后(太皇太后、皇太后、皇后)に次ぎ、同妃は皇太子に次ぐ。皇太子の居所は東宮御所といい、東宮職が置かれる。
 現行の「皇室典範」では、皇嗣たる皇子(男子)または皇孫を皇太子、皇太孫とし(8条)、満18年の成年に達した皇太子、皇太孫は摂政の第一順位者となる(17条)。現天皇のもとでの皇太子徳仁(なるひと)親王の立太子礼は、1991年(平成3)2月22日挙行された。[村上重良]

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世界大百科事典内の皇太子の言及

【大婚】より

…なお大婚は天皇が満17歳に達した後に行うとし,皇后たるべき人(后氏という)は満15歳以上の皇族または特定の華族の女子と定め,大婚と同時に立后の詔書を発することとしたが,第2次大戦後,皇室典範をはじめ皇室関係法令の改廃が行われ,后氏に対する制限が解除されるなどの変更が加えられている。しかし皇太子の婚儀は大婚に準じて行われるとの皇室親族令の規定により,1959年の皇太子の結婚式は旧皇室親族令の規定に準拠して行われた。【米田 雄介】。…

【東宮∥春宮】より

…皇太子の居所,転じて皇太子の別称。五行説で東は春にあたるところから,春宮とも記す。…

【春宮坊】より

…皇太子の付属職司。和訓は,《和名抄》によると〈みこのみやのつかさ〉。…

【湯沐】より

…古代,皇太子および中宮に対する資養のために諸国におかれた経済制度。令制では臣下に対する封戸(ふこ)と同様のものらしく,《延喜式》では〈東宮湯沐二千戸〉とみえ,令制では〈中宮湯沐二千戸〉がみえる。…

【立太子】より

皇太子に冊立することをいい,皇嗣が皇子であっても皇孫,皇兄弟あるいはその他の皇親であっても,皇太子と称した。《貞観儀式》に〈立皇太子儀〉があり,それによると立太子の儀は紫宸殿の前庭において親王以下百官参列のもとに行われ,宣命大夫が立太子の宣命を宣する。…

※「皇太子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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