朝日日本歴史人物事典 「藤枝外記」の解説
藤枝外記
生年:宝暦8(1758)
江戸中期の旗本。名は教行,通称安十郎。旗本徳山貞明の8男で,同じ旗本の藤枝貞雄の養子となり,安永2(1773)年家督を継いで武蔵・相模国で4000石を知行した。吉原江戸町1丁目の妓楼大菱屋九右衛門抱えの遊女綾絹になじんで通い詰め,天明5(1785)年箕輪で心中した。当時は旗本や御家人で遊興にうつつを抜かし,問題を起こす者が多く,とかくの噂をよんだが,この事件は特に江戸人士の耳目を集め,「君と寝ようか五千石とろか,何の五千石君と寝よ」と俗謡に歌われた。
(宇田敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報