西村和泉(読み)にしむらいずみ

改訂新版 世界大百科事典 「西村和泉」の意味・わかりやすい解説

西村和泉 (にしむらいずみ)

延宝年間(1673-81)から現代まで続いた,江戸における鋳物師名家。作品には,梵鐘灯台灯籠,水鉢,香炉擬宝珠鰐口鉦鼓仏像など,数多くある。江戸時代の法器,仏具の類で,およそ西村和泉の銘のないものはないといってよい。通称は多く伊右衛門と称す。江戸に住す。中でも梵鐘の製作は1758年(宝暦8)から1865年(慶応1)まで107年間に,564口の多きに達している。初代は1695年(元禄8)12月13日に没し,最古の作品は延宝8年(1680)銘の伏証鼓で〈天下一西村和泉作〉と記す。その後,代々和泉守政時の名を世襲して11代におよぶ。各代の没年は次のとおりである。2代-1722年(享保7),3代-1758年(宝暦8),4代-1775年(安永4),5代-1798年(寛政10),6代-1816年(文化13),7代-1841年(天保12),8代-1848年(嘉永1),9代-1888年(明治21),10代-1887年(明治20)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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