蘇原庄(読み)そはらのしよう

日本歴史地名大系 「蘇原庄」の解説

蘇原庄
そはらのしよう

鎌倉末期より室町時代にかけてみられる庄園。正中二年(一三二五)二月八日の大見資家譲状(大見安田文書)によれば、資家は「美濃国蘇原庄内則友名地頭職」を惣領の資宗に譲渡している。大見氏は伊豆国大見おおみ(現静岡県田方郡中伊豆町)より出た鎌倉幕府御家人で、美濃国の所領には蘇原庄内則友名と飛鳥あすか郷があり、ともに現各務原市域に比定されることから、各務かかみ郡が大見氏の拠点であったと考えられる。笠置かさぎ神社(現恵那市)にあった梵鐘は建武二年(一三三五)三月一〇日銘をもち、「美濃国蘇原庄安弘見郷中之方氏子安全」と刻される(日本古鐘銘集成)。ただし、観応二年(一三五一)九月二〇日の足利義詮袖判下文(土岐文書)には「武義庄内野所・安弘見・加藤郷」とみえ、一説には「安弘見」は宇多弘見うたひろみ庄の弘見(現関市)をさすともいわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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