蚊田(読み)かだ

日本歴史地名大系 「蚊田」の解説

蚊田
かだ

応神天皇の生誕地とされる地名。「日本書紀」応神天皇即位前紀には天皇は「筑紫の蚊田」で誕生したとある。「日本書紀」神功皇后摂政前紀(仲哀天皇九年一二月一四日条)、「古事記」仲哀天皇段(宇美)、「釈日本紀」所引の「筑紫風土記」逸文(芋野)などの記事により、「蚊田」を「宇美」の旧名とするのが通説である。しかしいずれの記事にも「蚊田の名を改める」とは書かれておらず、また神功皇后の出産記事には「宇美」がみえ、応神天皇の生誕地の記事には「蚊田」がみえるという書分けが明瞭なので、宇美と蚊田とは本来別であった可能性も捨てきれない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android