蚕養窯跡(読み)こがいようせき

日本歴史地名大系 「蚕養窯跡」の解説

蚕養窯跡
こがいようせき

[現在地名]会津若松市蚕養町

会津若松市街地の北東部に位置し、南側に蚕養国こがいくに神社が隣接する。文政年間(一八一八―三〇)木村佐内が開窯したと伝え、文献上では、本郷ほんごう(現会津本郷町)の瀬戸師杉野戸左衛門勤書(本郷焼の歩み)に、同一三年会津藩が蚕養口に窯を作る仕事を手伝ったと記されており、窯が存在したことは明らかであった。また各種の若松城下絵図にも新瀬戸場として描かれており、開窯時期は江戸時代後半頃と考えられていた。昭和五八年(一九八三)都市計画道路工事に伴い発掘調査が実施された。付近は以前から宅地化が進んでいたこともあり、窯体は完全に削平され確認できなかったが、窯跡に関連する井戸跡が検出され、この中から天保(一八三〇―四四)から嘉永期(一八四八―五四)と考えられる磁器が出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android