会津若松市(読み)アイヅワカマツシ

デジタル大辞泉 「会津若松市」の意味・読み・例文・類語

あいづわかまつ‐し〔あひづわかまつ‐〕【会津若松市】

会津若松

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日本歴史地名大系 「会津若松市」の解説

会津若松市
あいづわかまつし

面積:二八六・二六平方キロ(境界未定)

会津盆地南東の平坦地を中心に、盆地東縁の山地を含み、一部は猪苗代湖の西岸に接する。中心市街地は会津布引あいづぬのびき山から北北西に流れる川右岸に展開する。湯川は東山ひがしやま温泉街を縫って市街地の南部を流れ、北西部を北上して日橋につぱし川に注ぐ。市域の北は河沼郡河東かわひがし町・湯川ゆがわ村、西は北流する阿賀川(大川)を境にして北会津郡北会津村大沼郡会津本郷あいづほんごう町に向い合う。南は大戸おおと岳を境に南会津郡下郷しもごう町、南東は会津布引山で岩瀬郡天栄てんえい村、東は郡山市と猪苗代湖に接する。市名のもととなった若松は、蒲生氏移封以前は黒川くろかわとよばれた。「会津旧事雑考」文禄元年(一五九二)条に「六月朔日黒川築於城郭、改於市井、自茲始曰若松、江州蒲生郡有若松森、氏郷恋郷為名也」とあり、新領主蒲生氏郷の郷里である近江国蒲生がもう郡の若松森から名付けられたという。明治三二年(一八九九)の市制施行により若松市となり、昭和三〇年(一九五五)の町村合併に際し会津の名を冠した。

〔原始〕

「福島県遺跡地名表」によれば、市内の南東山麓、北東丘陵地および猪苗代湖西岸に縄文時代の遺跡が三三ヵ所分布する。弥生時代の遺跡は、市内の南東山麓やつるヶ城三の丸跡・川原町かわらまち口などの中心市街地および市の北・西に分布する。市南郊の奴田ぬだ山西麓にある南御山みなみおやま遺跡は弥生時代の墓地であることが確かめられ、この地から出土する土器は南御山I式・同II式として標式土器となっている。市北東の一箕いつき町地内には、四世紀後半といわれる大塚山おおつかやま古墳がある。自然の地形を利用し、山頂に北を向いて営まれた、前期古墳の特徴をもつ全長一一四メートルの前方後円墳として有名。昭和五三年この大塚山の南斜面に後期古墳と推定される一二基の横穴墓群が発見された。この地域に在住した有力な氏族集団が築造したものと思われる。時代は明らかでないが、市内各地には熊の壇くまのだん古墳群・西分にしぶん古墳・狐塚きつねづか古墳・鏡塚かがみづか古墳・善行院ぜんこういん古墳・五輪塚ごりんづか古墳群・平下山ひらしもやま古墳群などが分布する。

〔古代〕

会津地方の律令制下の政治についてはまだ明らかでないが、門田もんでん中野なかのには条里遺構と考えられる地割跡があったことが指摘されている。「和名抄」記載の会津郡内九郷は現在の会津地方全域に比定されており、うち伴部ともべ郷・多具たぐ郷が市域に関係が深いと推定されているが、確証はない。「延喜式」神名帳の会津郡には二座が記され、うち市内にあるのは蚕養国こがいくに神社で、近世を通じて養蚕の神として信仰を集めた。


会津若松市
あいづわかまつし

2005年11月1日:会津若松市が河沼郡河東町を編入
【河東町】福島県:河沼郡
【会津若松市】[変更地名]福島県


会津若松市
あいづわかまつし

2004年11月1日:会津若松市が北会津郡北会津村を編入
【会津若松市】福島県
【北会津村】福島県:北会津郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「会津若松市」の意味・わかりやすい解説

会津若松〔市〕
あいづわかまつ

福島県西部,猪苗代湖西岸から会津盆地南部を占める市。古くから会津地方の中心都市。 1899年市制の若松市が 1951年町北村を編入ののち,1955年高野村,神指村,一箕村,東山村,門田村,大戸村,湊村の7村を編入し会津若松市と改称して成立。 2004年北会津村,2005年河東町を編入。中心市街地の若松は,元中1 (1384) 年蘆名直盛が湯川の近くの小田垣に館を築き,天正 18 (1590) 年蒲生氏郷が鶴ヶ城と改称し,城郭と町割を完成。その後上杉氏の支配となり,さらに会津藩松平氏の城下町として発展した。会津戦争で城郭や市街は破壊されたが,町人町や城下町特有の道路の屈曲,土蔵造りの民家が残っている。会津の伝統産業である造り酒屋や漆器製造の家々が多い。会津塗の漆器は特産で,市街地南部には漆器工業団地があり,量産されている。会津盆地の商業,交通,行政,教育の中心。米作のほかリンゴ,ブドウなどの果樹栽培も盛ん。延命寺地蔵堂,八葉寺阿弥陀堂は国の重要文化財に指定。若松城跡 (鶴ヶ城跡) ,旧滝沢本陣,大塚山古墳,会津藩主松平家墓所は国指定史跡。会津松平氏庭園は国の名勝,赤井谷地沼野植物群落,高瀬の大木 (ケヤキ) は国の天然記念物にそれぞれ指定されている。ほかに,飯盛山,蒲生氏郷の墓,山鹿素行の生誕地などの名所,旧跡や東山温泉などがある。市域北部は磐梯朝日国立公園に,南西部は大川羽鳥県立自然公園に属する。 JR磐越西線が通り,只見線と会津鉄道が分岐。国道 49号線,118号線,121号線,252号線,294号線,401号線が通り,磐越自動車道のインターチェンジがある。面積 382.97km2(境界未定)。人口 11万7376(2020)。

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