血液凝固因子製剤(読み)けつえきぎょうこいんしせいざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「血液凝固因子製剤」の意味・わかりやすい解説

血液凝固因子製剤
けつえきぎょうこいんしせいざい

血友病を治療するための薬剤。血を固める作用のある血液凝固因子は,血液中に存在する蛋白で 10種以上が知られているが,なかでも第 VIII因子を先天的に欠く患者が多い。患者の治療には第 VIII因子と第 IV因子が投与される。以前は,輸入血液からのヒト血漿を原料として用いていたため,肝炎,エイズなどへの感染,アロ抗原による免疫能低下などの副作用が問題となった。そのため加熱処理,あるいは,モノクロナール抗体を利用した製剤が開発されたが,ヒト血液を原料とすることには変りがなく,供給量の問題も残されている。最近では遺伝子工学により,ハムスターの腎臓細胞にヒトの第 VIII因子合成遺伝子を組込むという方法が開発され,現在臨床検査中で市販化が待たれている。

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百科事典マイペディア 「血液凝固因子製剤」の意味・わかりやすい解説

血液凝固因子製剤【けつえきぎょうこいんしせいざい】

血液製剤

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世界大百科事典(旧版)内の血液凝固因子製剤の言及

【血漿製剤】より

…また期限切れの製剤は血漿分画製剤の原料とされる。 血漿分画製剤には,加熱ヒト血漿タンパク質,ヒト血清アルブミン,ヒト免疫グロブリン,血液凝固因子製剤などがある。前2者は60℃,10時間の加熱処置により肝炎ウイルスを不活性化しており,液状ヒト血漿のような肝炎の心配はない。…

※「血液凝固因子製剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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