表面波デバイス(読み)ひょうめんはデバイス(その他表記)surface acoustic wave device

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「表面波デバイス」の意味・わかりやすい解説

表面波デバイス
ひょうめんはデバイス
surface acoustic wave device

圧電材料の表面を伝搬する弾性表面波 (内部方向には表面からの距離に沿って振幅が減衰する) を利用した固体電子素子。表面波は,圧電材料の表面に設けられた交差櫛型 (インターデジタル ID) 電極に交流電界を印加することによって励起され,同種の ID電極で検出される。なかでも,表面波フィルタが代表的応用例である。このほか,表面を伝搬する速度は音速で決定されるので電磁波の伝搬速度よりも遅くなり,これを利用した遅延線もできる。共振器発振器への応用も可能である。また,表面近くに半導体などを置くと半導体内のキャリアと相互作用を起して各種の非線形効果を生じるので,これを応用した増幅素子,メモリ・イメージ・スキャナ,音響光学素子などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android