普及版 字通 「袞」の読み・字形・画数・意味
10画
(異体字)袞
11画
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
衣+(公)。金文に谷に従う形があり、谷がその初形。谷は容。中に神容の彷彿としてあらわれる象である。はおそらくその神霊を祀るときの衣裳であろう。それで天子・上公の礼服の意となった。〔説文〕八上に「天子、先王を享するに、卷もて下幅に(ぬひとり)し、一は蟠阿(ばんあ)(わだかまり)上(向)す。衣に從ひ、(こう)聲なり」とするが、が谷の略形であるとすれば、その声ではない。金文の賜与に、玄衣と併せて秬鬯(きよちよう)や礼器の類を賜うことが多く、重臣たちにはその礼服を用いることが許されていたのである。
[訓義]
1. みかどのふく、竜のぬいとりの文様のある天子の礼服。上公・三公なども用いる。
2. その服を用いる位の人。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ソヨノ(メ)ク 〔字鏡集〕 コロモノナガキカタチ・ソヨメク・コキヌ・ソヒメク
[声系]
声の字にがあり、杜甫の詩にみえるが、字書には〔集韻〕に至ってみえる。水声をいう擬声語である。
[語系]
kunは卷(巻)giuan、綣khuan、hiun、渾hunと声近く、ときに通用することがある。
[熟語]
衣▶・華▶・闕▶・▶・司▶・章▶・裳▶・職▶・然▶・服▶・冕▶・黼▶・命▶・竜▶
[下接語]
華・御・玄・司・・常・台・服・補・竜
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報