被き(読み)かずき

精選版 日本国語大辞典 「被き」の意味・読み・例文・類語

かずきかづき【被・被衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かずく(被)」の連用形の名詞化。「かつぎ」とも )
  2. 頭に載せること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「かつきせむ袂は雨にいかがせしぬるるはさても思ひしれかし〈侍従内侍〉」(出典:玄々集(1045‐46))
  3. きぬかずきのこと。公家武家婦女子が外出の際、顔を隠すために、頭から背に垂らしてかぶり、両手をあげて支えた単(ひとえ)の衣。かつぎ。衣被。のち、室町時代の中期から小袖被衣(こそでかずき)もでき近世に及んだ。近代は晴の日に帷子(かたびら)などを頭から被り、婚礼のときの嫁や、葬式のときの近親女性が用いた服装。かむりかたびら。
    1. 被衣<b>②</b>〈春日権現験記絵〉
      被衣〈春日権現験記絵〉
    2. [初出の実例]「Catçugui(カツギ)〈訳〉女性のマント。Cazzuqi(カヅキ)という方がまさる」(出典日葡辞書(1603‐04))
    3. 「かつぎをきたる女の二三人づれ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)六)
  4. 物事に処する態度。受け止め方。
    1. [初出の実例]「買ては皆かづきのあまたるき人也」(出典:随筆・胆大小心録(1808)九三)
  5. 負担。損害。
    1. [初出の実例]「跡には大臣がかづきにならふとままよ」(出典:浮世草子・魂胆色遊懐男(1712)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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