装束賜(読み)しょうぞくたばり

精選版 日本国語大辞典 「装束賜」の意味・読み・例文・類語

しょうぞく‐たばり シャウゾク‥【装束賜】

〘名〙 奈良の春日神社若宮祭の田楽頭に興福寺から任命された僧が、田楽に使用する装束を調え、それを祭礼前日に頭屋(とうや)で田楽の演者に与える儀式
経覚私要鈔‐長祿元年(1457)一一月二六日「今日装束給之儀如何様哉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の装束賜の言及

【田楽】より

…田楽衆が大社寺の祭礼に出勤する場合,その費用を負担する頭(とう)役を差定(さじよう)する制度があり,奈良春日若宮の御祭などでは中世前期から盛大に行われていた。とくに祭礼前に必要な諸道具をさげ渡す行事を装束賜(しようぞくたばり)と称し,《大乗院寺社雑事記》などに詳しい記録が残る。 田楽座の本芸とされた田楽躍や曲技の間にも,見物の笑いを誘う芸が演じられたようであるが,鎌倉時代中期以降,猿楽衆(猿楽)が能を演じて人気を得ると,田楽の座でも猿楽の能を演じた。…

※「装束賜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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