日本歴史地名大系 「経覚私要鈔」の解説
経覚私要鈔
きようがくしようしよう
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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興福寺大乗院第18世門跡経覚の日記。『安位寺殿御自記(あんいじどのごじき)』ともいう。日次記(ひなみき)65冊と、別記(べっき)16冊の自筆本が国立公文書館に所蔵されている。日次記は欠失部分もあるが、1415年(応永22)から72年(文明4)にわたっている。別記には維摩会勅使引付(ゆいまえちょくしひきつけ)、他寺探題日記、能登岩井(のといわい)両河用水記、興福寺僧綱補任(そうごうぶにん)、細呂宜郷下方(ほそろぎごうしもかた)引付、大僧正一座宣事(だいそうじょういちざせんじ)、維摩会記、室町殿南都御下向事などがある。経覚は四度にわたり興福寺別当に就任した。その記述は、興福寺内の寺務、寺領支配をはじめとして、大和(やまと)国人の動向や京都の政治情勢にまで及び、応仁(おうにん)の乱に至る激動期の政治、経済、社会研究の重要史料である。
[小泉宜右]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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「安位寺殿御自記」とも。室町時代の奈良興福寺大乗院門跡経覚の日記の総称。日次記(ひなみき)は65冊。1415~72年(応永22~文明4)を収めるが,欠失も多い。別記は16冊。一部重複するが,尋尊(じんそん)の「大乗院寺社雑事記」より早い時期を伝え,興福寺・南都研究の重要史料であり,京都の動静も記す。原本は内閣文庫蔵。「史料纂集」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…その後応仁の乱(1467‐77)で荒廃した京都を避けて,奈良で発展をみた盆の風流には,大がかりな作り物や囃子物に加えて,そろいの衣装や被り物で身を飾った踊り衆の姿が登場する。《経覚私要鈔》には,初めは〈ヲドリ念仏〉として出るが,文明1年(1469)7月17日条には,〈駒舞〉〈神輿振り〉などの風流の趣向にまじえて,紙で作った桶を頭にいただいた者20人ほどが踊ったとある。 16世紀に入るころには奈良の盆の風流は踊りが中心になり,踊り堂を建てた記事も見える。…
※「経覚私要鈔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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