証券取引所(金融商品取引所)における会社の株式や債券などに関わる上場審査を受けない方法で不正に株式上場を果たすこと。非上場会社が上場している会社を吸収合併した場合、通例では上場株式は「管理銘柄」として投資家への注意喚起がなされ、また、吸収合併した側の非上場会社を上場させるべきか正式審査する。この審査で、もともとの上場会社が存続していないと判断され、買収企業側が新規上場するための審査基準を満たさなければ、上場廃止となることもありうる。しかし、非上場会社が上場会社の合併等を行う際、上場会社を存続会社として合併するといった不適当な方法で審査を免れ、実質的に上場を果たすケースがある。新興国の企業や投資家などが、経営不振で株価が低迷している日本企業を合併対象として、時間や費用をかけずに上場する手段として行使する事例が増加している。こうした裏口上場を防止するため、証券取引所では「合併等による実質的存続性喪失に係(かかわ)る上場廃止基準」に沿って監視を強めている。
[編集部]