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証券取引所 しょうけんとりひきじょ

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

証券取引所

証券(株式債券など)の売買取引を行なうための施設。証券取引法で認められた特別法人で、同法に基づいて、活動を行なっている。日本経済の中心的な機関であるため、同法で様々な規制が設けられている。例えば、証券取引所は会員制が取られており、会員として認められた証券業者だけしか取引が行なえない。また、組織面での規制もあり、戦後、50年近い間、会員が集まって証券取引所を運営する会員制組織以外の組織形態は禁止されていた。だがやがて、取引所も経営判断の迅速化、組織のスマート化が求められるようになり、1999年、証券取引法の改正で証券取引所の株式会社化が認められるようになった。現在は株式会社化した東京、大阪、名古屋証券取引所、同じく株式会社組織で、新興企業向けに開設したジャスダック証券取引所、さらに、会員組織形態を保持している福岡、札幌証券取引所がある。

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知恵蔵の解説

証券取引所

大量の株式や債券などの証券流通が公正かつ効率的に行われるよう、一定の基準を満たした証券の取引を行う場所上場有価証券売買の取引所への集中義務は1998年に撤廃された。日本には東京、大阪、名古屋、札幌、福岡、JASDAQの6カ所があり、東京、大阪は株式会社化、大阪証券取引所株式は大証ヘラクレス市場に上場されている。ここ数年、国内ではシステムの不調による事故が発生したことから、複数の市場でシステムを補完する仕組みづくりが試みられている。国際的には、投資家利便性をより高めるために国境を越えた取引所統合の時代に入っている。

(熊井泰明 証券アナリスト / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

しょうけん‐とりひきじょ【証券取引所】

証券取引法に基づき、有価証券の売買取引を行うのに必要な市場を開設することを目的として設立された組織。平成19年(2007)証券取引法の改正施行に伴い、法律上の名称は金融商品取引所と定められたが、各取引所は従来と同様の名称を使用することができる。証取(しょうとり)。→金融商品取引所

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百科事典マイペディアの解説

証券取引所【しょうけんとりひきじょ】

株式(上場株),公社債などを売買する場所で,証券流通市場の中心をなす。日本では証券取引法に基づく会員組織の法人または株式会社である。会員は証券会社に限られ,売買取引を行う正会員とその仲介をする才取(さいとり)会員,特別会員とに分かれる。
→関連項目株式市場公開会社場外取引証券市場証券取引所三原則信用取引非上場株

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株式公開用語辞典の解説

証券取引所

株式等が集中的に売り買いされる専門の場所。日本では東京や大阪など全国に5カ所あり、そこでは、一定の資格を持った「証券会社」を通じて株式等が売買されている。取引所で売買されている株式等は、その証券取引所に上場されているものだけである。上場をするためには、証券取引所の承認が必要で、その上場基準は、市場によって異なる。

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投資信託の用語集の解説

証券取引所


証券取引市場等、金融商品市場を開設する会員制の法人か株式会社のこと。有価証券株式や債券等の売買について、取引する場所を設け、多くの売り手と買い手を集中させることで適切な均衡価格を形成させている。株式や債券のほか、J-REITやETF等も取引所に上場し、そこで時価をもって取引が行われる。法律上は「金融商品取引所」という。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうけんとりひきじょ【証券取引所】

有価証券の売買取引を行うために必要な市場を開設することを目的として証券取引法に基づいて設立された組織または施設をいう(証券取引法2条11項)。証券取引所が有価証券の売買取引のために開設する市場を有価証券市場という(2条12号)。 証券市場は企業,国,公共団体等が株式・債券等の有価証券を発行し,必要とする資金,とくに長期資金を広く一般から調達する発行市場と,すでに発行された有価証券が投資家間で売買される流通市場から構成されているが,このうち流通市場の中心的役割を担っているのが証券取引所である。

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大辞林 第三版の解説

しょうけんとりひきじょ【証券取引所】

有価証券の売買取引を行う市場組織。日本では、証券取引法に基づいて設立された法人によって運営され、取引は会員である証券会社を通じて行われる。東京・大阪・名古屋・福岡・札幌のほか、ジャスダック証券取引所がある。2000年の証券法改正により、01~02年に東京・大阪・名古屋の証券取引所は株式会社化した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

証券取引所
しょうけんとりひきじょ
stock exchange

株式債券など有価証券の売買取引を行なうために開設された市場。会員からなる法人組織,株式会社組織のものがある。取り引きは会員である証券会社などを通じて行なわれる。基本的な機能は,証券の円滑な売買・流通の確保,公正な価格形成などである。証券を売買する取引所の発祥はオランダ。時価総額などで世界最大規模のニューヨーク証券取引所は 1792年に設立され,ニューヨークに次ぐといわれるロンドン証券取引所は 1801年に設立された。また,1990年代後半以降は新興国の資本市場の成長を背景に,中国の上海,香港,インドのムンバイなどの証券取引所も拡大を続けた。日本では,1949年に証券取引法に基づいて東京証券取引所,大阪証券取引所,名古屋証券取引所,福岡証券取引所,札幌証券取引所などが設立された。法人組織で,会員は証券会社にかぎられ,取引所は証券会社でなければ設立することができず,設立に際して内閣総理大臣の免許を受けなければならない。2000年の証券取引法改正で,組織形態を株式会社とすることが認められた。2006年に証券取引法が全面改正されて金融商品取引法となり,証券取引所の名称も金融商品取引所に変更された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

証券取引所
しょうけんとりひきじょ
stock exchangesecurities exchange

証券市場のうち、証券の売買取引を行う流通市場を提供する機関。証券市場を機能別にとらえると、発行市場と流通市場とに区分される。発行市場は証券が生まれる場であり、流通市場は発行された証券が投資家間で売買される場の総称である。証券取引所はこれらのうち組織的かつ代表的な流通市場を提供する機関として、歴史的にも今日的にも、多くの国々で証券取引の中核的存在としての役割を演じている。証券取引所は、有価証券や有価証券のデリバティブ取引に関する市場を開設し、運営・管理にあたる。ただし、揺籃(ようらん)期における証券取引所では、取引所の名称に「証券」あるいは「株式」が冠される場合であっても、商品や為替(かわせ)などを扱うことが一般的であった。同様に、公債発行の場として利用されるケースも多く、初期の段階では発行市場と流通市場の機能は不分明であった。[高橋 元]

証券取引所の成立

商業取引が自然発生的に行われるようになった経緯を考慮すると、資本取引も相応に長い歴史をもっていると判断される。ヨーロッパでは初期の資本取引は、交易拠点となる各地の港町などの商人集会所で非公式に行われていた。それらのうち、商人集会所を基盤としながら1531年に設立されたアントウェルペン(アントワープ)取引所は、組織化され債券や手形等の有価証券類も売買されており、証券取引所の草分け的存在と位置づけられる(これに先だつ1527年にケルン取引所が開設されているが、これは農産物市場として発足したものであった)。ヨーロッパではこの時期、各地で相次いで取引所が設立されるが、有価証券は市場における取引対象のなかでかならずしも中心的な存在ではなく、売買仲介者としての証券業も未発達であった。1568年にオランダ独立戦争が勃発(ぼっぱつ)し、アントウェルペンがスペイン軍の攻撃で混乱に陥ると、北部のアムステルダムがヨーロッパの貿易・金融の中心地として機能するようになる。
 本格的な証券取引所の歴史は、1613年に設立されたオランダのアムステルダム証券取引所によって幕を開ける。17世紀初頭、世界初の株式会社とされるオランダの東インド会社(1602年設立)を巡る証券取引が活発化し、アムステルダム証券取引所の組織化が求められた面もあるが、ハプスブルク帝国(オーストリア・ハンガリー帝国)をはじめデンマーク、スウェーデン、ロシアなどから公債を発行する場所として需要された面が大きく、市場取引の大半もそれら公債の売買で占められていた。アムステルダム市場ではまた、ヨーロッパ各国が通商の決済を行う際の為替相場も提供していた。かくして、アムステルダムは国際金融センター(国際的な公債市場)の座を確立するが、その地位は国際的な覇権の推移に伴い、やがてイギリスへと移行していく。なお、その後のヨーロッパ大陸では、1771年に皇帝マリア・テレジアによってウィーン証券取引所が開設され、国債取引所として累積した国家債務の流動化(国債の取引)が図られている。
 イギリスでは17世紀末期ころから証券取引が活発化するが、それらの売買はロンドン大火後の1669年に再建された王立取引所で行われていた。ただ、1694年にイングランド銀行が設立されるまでは、財政資金需要の高まりを背景とした公債の発行が取引所の主要な機能とされており、証券ブローカー業務は取引所においてかならずしも重要な存在ではなかった。そうしたなか、1696年に証券ブローカーがほかの商人たちによって王立取引所を追われたため、その後の実質的な証券取引はシティの一隅にある「ジョナサン」などのコーヒーハウスで行われるようになった。コーヒーハウスでは、株式会社設立ブームのなか株式取引が隆盛をきわめたが、1720年に「南海泡沫(ほうまつ)事件」(南アメリカとの貿易を行う目的で設立された南海会社の株価暴落による金融恐慌事件)が発生したため、バブル崩壊後は長く混乱が続いた。その後、イギリスでは産業革命を契機に、近代的な資本主義の確立と歩調をあわせて資本取引も活発化し、1802年に組織化されたロンドン証券取引所では海外債券を中心に、1840年前後から各地に設立された地方取引所では地方産業の証券を中心に、それぞれ売買が行われるようになった。こうして今日的な証券取引所の基本的形態が整えられていったのである。
 アメリカでは、1792年にウォール街68番地の街路樹スズカケノキ(プラタナス)の下で証券ブローカーにより協約書がまとめられ(すずかけの木協定The Buttonwood Agreement。すずかけ協定ともいう)、翌1793年に常設の取引場所(トンティン・コーヒーハウスTontine Coffee House)が設けられた。その後、株式会社の設立が増加するなどの環境変化を背景に再組織化が図られ、1817年にはニューヨーク証券取引所に衣替えしている。
 一方、日本における取引所の歴史も古く、1730年(享保15)に大坂の堂島で「米会所(こめかいしょ)」が江戸幕府から公許されたことを嚆矢(こうし)とする。当時、各藩は堂島の地に倉屋敷を設け、国元から輸送した貢納米を米仲買人に入札売却し、落札者には米手形を発行した。米会所はこれを売買する場所であり、厳密には商品取引所としての色彩が濃いが、米手形は紛れもない証券であり、この時代の世界の取引所形態と比較しても、米会所を日本で最初の会員組織の証券取引所と評価してもよいであろう。[高橋 元]

証券取引所の役割と上場の意義

イギリスにおいて証券業者のコーヒーハウスでの集まりが、やがてロンドン証券取引所の組織化につながったように、多くの証券取引所は自然発生的な過程を歩んでいる。それは、人々の集まりが需給の集中を意味し、そうした場では取引相手を容易にみいだすことができるし、取引価格についても競争原理が働くなど、経済的コストを抑制するような効率性が認められるからである。そうした積み重ねが取引場所としての信頼性を高め、やがて組織的な証券取引所へと発展していったのである。
 このことからも明らかなように、証券取引所に求められる機能としては、(1)大量の需給を集めることで流通性を確保する、(2)需給を背景とした公正な価格形成を促す、(3)価格をはじめ取引にかかわる諸情報を迅速に公開する、などがある。つまり、証券取引所はきわめて公共性の高い存在であり、これらの機能が十分に発揮されるためには、取引所に対する投資家からの信頼が不可欠といえる。このため、今日の証券取引所においては上場制度(株式や債券を証券取引所内での取引対象として認めること)が設けられ、上場に際しては上場基準に沿って審査が行われる。上場基準は各証券取引所によって異なるが、日本(東京証券取引所)の場合を例にとると、株主数、株式数、時価総額、純資産額などの「形式要件」に加えて、企業としての継続性、収益性、成長性、健全性などの「実質要件」を満たすことが求められている。また、上場後は、情報開示などについても詳細な規則が定められている。これらのルールの存在により、投資家は証券取引所を通じた証券の売買に信頼感をもって臨めるのである。
 企業にとっては上場により証券取引所での株式売買が可能になり、株式の流動性が飛躍的に高まる。この高い流動性を背景に公募増資に代表される直接金融による資金調達の道が開かれ、企業の財務戦略上の選択肢が拡大する。また、上場株式は、各メディアによって株価が報道されることから会社の知名度が向上し、企業情報の開示や投資家などの第三者チェックを通じて、社会的信用が高まるというメリットがある。これにより、取引先企業や金融機関との関係が強化され、優秀な人材確保の促進にもつながる。さらに、上場会社として社内管理体制の充実が図られることで、経営効率が高まり、経営者・従業員のモチベーションの向上も期待されるなどの効果がある。[高橋 元]

証券取引所の現状

既述のように、証券取引所が投資家からの信頼を確保するうえで重要な要件として、流通性の確保、公正な価格形成、迅速な情報開示などが指摘される。これらの要件を満たすため、証券取引所はその高い公共性ゆえに、各国の法的規制によって市場集中義務をはじめさまざまなルールを設け、投資家保護を図ってきた。しかし1990年代以降はグローバリゼーションや自由化の進展、さらにはインターネット技術の進歩などを背景に、証券取引所を巡る環境変化が著しい。たとえば、自由化の進展はクロスボーダー取引(国境を越えた資金移動)を容易にし、国や地域ごとに分断された市場では投資家の要請に応じることが困難になっている。このため、2000年9月には、パリ、アムステルダム、ブリュッセルの三つの証券取引所が合併し、ユーロネクストEuronextが設立された(合併後の各市場は、たとえばユーロネクスト・パリのように改称されている)。2002年にはリスボン証券取引所とロンドン・デリバティブ取引所が加入。さらにユーロネクストはニューヨーク証券取引所(NYSE(ナイス))を運営するNYSEグループと合併し、NYSEユーロネクストとして2007年4月からユーロネクスト・パリ市場に上場されている。
 自由化がグローバリゼーションを促進するなか、日本の証券取引所についても国際的な競争力向上が求められるようになった。2000年(平成12)の証券取引法の改正により、証券取引所については従来の会員組織(金融商品会員制法人)の形態とともに株式会社組織形態への衣替えも認められ、2001年に東京証券取引所と大阪証券取引所(現、大阪取引所)が、2002年には名古屋証券取引所がそれぞれ株式会社形態へと組織変更した。これによりシステム開発などの資金需要に多様に対応できるようになると同時に、経営意思決定の透明化・迅速化が期待され、取引所間の経営統合などへも道筋を開くこととなった。2013年には東京証券取引所グループと大阪証券取引所が合併し、株式会社日本取引所グループ(JPX)が誕生している。なお、2007年にそれまでの証券取引法が金融商品取引法(金商法)に改められた結果、証券取引所の法律上の名称も金融商品取引所(個別名称は証券取引所でも可)となった。
 一方、インターネット技術の進歩は情報の効率性を高め、証券取引所という特定の物理的な場所を経由しなくても公正な価格形成を可能にしている。日本では、1998年(平成10)に取引所集中の原則が撤廃され、取引所外市場での売買が可能になった。同時に電子取引市場も認められ、証券取引所を経由せずに証券会社が株式等の売買を成立させる私設取引システム(Proprietary Trading System:PTS)が機能するようになった。さらに2009年からは、上場企業の株券不発行制度(株券の電子化)が導入されたことで、売買に伴う受渡し事務が簡素化された。これらの変化は証券取引形態の多様化を促し、投資家の利便性向上に資する半面、証券取引所は一段と厳しい競争環境にさらされているのである。[高橋 元]
『有沢広巳監修『証券百年史』(1978・日本経済新聞社) ▽野田正穂著『日本証券市場成立史』(1980・有斐閣) ▽高橋元著『証券市場と投資の理論』(1993・同文舘出版) ▽二上季代司・代田純編『証券市場論』(2011・有斐閣) ▽日本証券経済研究所編・刊『図説 日本の証券市場』(2014)』

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世界大百科事典内の証券取引所の言及

【株式市場】より

…かつて日本の有償増資は大半が額面発行・株主割当てであったが,近年では時価発行・公募が定着化している(以上については〈増資〉の項参照)。
[流通市場]
 発行市場で発行された株式は証券取引所の開設する市場を通じて流通転々していく。証券取引は公正な株価形成および適正な流通を確保するという,きわめて重要な役割を担っている。…

※「証券取引所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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