上場(読み)じょうじょう

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

上場

東京証券取引所大阪証券取引所などの取引所において、証券や商品の取引を開始すること。または、証券や商品が取引所などにおいて取引されていることを指す。店頭市場の場合は「登録」と呼ぶこともある。上場にあたっては、業績推移、財務体質、将来見通し、株主構成といった、取引所などが定める上場基準を満たし、上場審査に合格しなければならない。近年急成長を続けるIT関連企業などが多く所属する東証マザーズヘラクレスなどの新興企業向けの市場では、審査基準は緩和されていたが、2005年のライブドア事件以来、規制強化を求める声も多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょうじょう【上場】

証券取引所がある有価証券を,その開設する有価証券市場における売買取引の対象とすることをいう。上場可能な有価証券は株券,債券,転換社債券等であるが,証券取引所は原則として有価証券の発行者からの申請によって上場を行う。発行者からの申請によって証券取引所がその発行する有価証券を上場しようとするときは,大蔵大臣の承認を受けなければならない(証券取引法110条)。上場申請の手続,上場審査,上場有価証券の管理,上場廃止等については,証券取引所の有価証券上場規程および上場審査基準に定められている。

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大辞林 第三版の解説

じょうじょう【上場】

( 名 ) スル
物件が証券取引所または商品取引所における売買取引の対象とされること。 「東証第一部に-される」
上演」に同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

上場
じょうじょう
listing

商品および有価証券をそれぞれの取引所において,売買取引の目的として認めること。商品が上場される市場を商品市場,有価証券が上場される市場を有価証券市場とし,商品を商品取引所で,有価証券を金融商品取引所で扱う。2006年に制定された金融商品取引法でそれまでの証券取引所と東京金融先物取引所を金融商品取引所とし,また取引所の上場商品の範囲を,従来の有価証券に加えて,市場デリバティブ取引のための金融派生商品(デリバティブ)などへと拡大した。有価証券の上場および上場の廃止は,投資者保護の立場から内閣総理大臣への届け出事項とされる。一方,株式会社形態の金融商品取引所については,内閣総理大臣の認可を受けて自主規制法人に自主規制業務の全部または一部を委託することができるとし,自主規制業務のなかに金融商品などの上場および上場廃止に関する業務を盛り込んでいる。   

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

上場
じょうじょう
listing

証券取引所で有価証券の売買を可能にすること。具体的には、各証券取引所が定める上場審査基準を満たした主体の発行する証券が、当該取引所での流通を許されることである。
 たとえば、国内企業が東京証券取引所(東証)への株式上場を希望する場合、まずは上場時に見込まれる株主数、流通株式数、時価総額、連結純資産総額などの形式要件について、一定の水準を満たしているかがチェックされる。そのうえで企業経営の健全性や収益性、コーポレートガバナンス(企業統治)や内部管理体制の有効性、情報開示の適正性などの定性的な評価が行われる。これらをクリアすると企業は上場会社となり、発行する株式は上場銘柄として扱われることになる。上場審査基準が設けられているのは、投資家保護に資するためである。
 上場に際しては、新規株式公開(IPO)が同時進行する。株式の公開と上場とは論理的には別の概念であるが、上場に株式公開は必須(ひっす)であるから、一般に両者は一体化してとらえられる。
 上場は企業にさまざまなメリットを与える。上場銘柄の株価は日々新聞の相場欄に掲載されるし、メディアで社名を取り上げられる機会が増えることで、知名度の向上が期待される。その結果、人事面では優秀な人材を確保しやすくなり、上場審査基準をクリアしていることは社会的な信用を高め、取引先には安心感を与える効果がある。金融機関との関係でも、円滑な与信交渉などが見込まれる。
 社内的には、上場への準備過程で内部管理体制の充実が図られ、上場後も経営体制の持続的な見直しが行われるため、健全な業務環境の構築が進む。また、ストックオプションや従業員持株制度などの導入を行いやすくなり、経営者や従業員の仕事に対するモチベーション(動機づけ)が向上する。創業者は、株式の公開・上場に際して自らの持株を売り出すことで、創業者利益を手にすることができる。
 投資家にとっては、流通市場でいつでも公正な価格での売買が可能になるほか、財務データなどの情報入手が容易となり、投資意思決定上の効率性が高まる。
 一方、上場にはデメリットもある。準備に相応の時間を要するし、証券取引所への審査手数料、証券会社への引受手数料などの諸費用が発生する。上場後も、上場維持のために、監査報酬や株主総会の運営費などが必要になる。また、上場会社には、有価証券報告書や事業報告書の適時開示義務が生じ、それら書類の印刷費や株主への郵送費が必要なほか、本来は秘匿したい不都合な事実の公開を求められることもおこりうる。さらに、敵対的買収に晒(さら)されるリスクがあるし、しだいに株主による配当政策や財務戦略などへの干渉が増える傾向にあり、経営者の行動が縛られるケースも認められる。
 ただ、企業にはそもそも社会の公器という側面があるから、上場は多くの企業にとって一つの到達目標となる。もちろん上場が最終目標ではないから、上場は企業にとってさらなる成長のための通過点と位置づけられる。[高橋 元]

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世界大百科事典内の上場の言及

【証券市場】より

…またその取引方法は相対(あいたい)(交渉)売買である。 ある証券に,特定の証券取引所内部での取引対象たる資格を付与することを上場(じようじよう)という。上場に際して,取引所は通常当該証券およびその発行主体につき一定の資格要件の具備を要求し,これを審査する。…

【土間】より

…〈高土間〉〈新高土間〉の新設は,大衆席の低料金(132文)を維持しようとする興行者側の苦心によるものであったが,結果はかえって大衆席を縮小せざるを得ない傾向に追いこまれていった。京坂の劇場では,土間を〈上場(じようば)〉,高土間,新高土間をあわせて〈出孫(でまご)〉と称した。関東大震災を機に劇場が近代化されて椅子席となったため土間の名称はなくなった。…

※「上場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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