裏寺町(読み)うらでらちよう

日本歴史地名大系 「裏寺町」の解説

裏寺町
うらでらちよう

中京区裏寺町通四条上ルヨリ六角下ルマデ

裏寺町うらてらまち通を挟む両側町。中央を東西に蛸薬師たこやくし通が通る。

町名は、宝暦一二年(一七六二)刊「京町鑑」に「裏寺町」、天保二年(一八三一)改正京町絵図細見大成に「四条うら寺丁」とある。「坊目誌」に「寺町通の背面にありて寺院湊合の地也。故に名く」とある。寛永一四年(一六三七)洛中絵図によれば当町東側は御土居おどいの跡にあたる。

当町には寺院が集中しており、以下の寺院が現存する。裏寺町通東側に、北から浄土宗西念さいねん(浄業山と号し、本尊阿弥陀如来。開基真休。創建年月不詳。天明八年・元治元年の大火に類焼。明治二三年再興)、浄土宗西山深草派宝蔵ほうぞう(無量山と号し、本尊阿弥陀如来。空海の創建と伝え、もと葛野郡壬生にあり、天正年中に当町に移建。天明・元治の大火に類焼。その後再建)、単立の法界ほうかい(もと浄土宗西山派誓願寺に属した。無相山と号し、本尊阿弥陀如来。開基は善空道阿。天明の大火に類焼。その後再建)、浄土宗西山深草派妙心みようしん(高野堂と号し本尊阿弥陀如来。開基は蔵阿。天明の大火に類焼。その後再建)、浄土宗正覚しようがく(赤門成等山と号し、本尊阿弥陀如来。開基正林。創建年月不詳)、浄土宗称名しようみよう(影迎山と号し本尊阿弥陀如来。永禄三年貞把の開基)、浄土宗西導さいどう(延命山と号し本尊阿弥陀如来。永禄五年楽誉良厳の開基。もと六角油小路にあり、天正年中当町に移転)、浄土宗浄心じようしん(烏柄山と号し、本尊阿弥陀如来。天文一一年香誉祐公の開基。もと室町三条南にあったが、天正年中当地に移転)があり、西側には北から浄土宗西山深草派光明こうみよう(紫雲山と号し、本尊阿弥陀如来。開基蔵阿。もと三条新町にあり、慶長七年当町に移建。天明・元治の大火に類焼。その後再建)、浄土宗西山禅林寺派常楽じようらく(雲松山と号し本尊阿弥陀如来。寺伝に永享元年顕海相厳が油小路大炊御門大路、同春日小路の間に創建。天正一九年当町に移建。天明・元治の大火に類焼。その後再建)、浄土宗光徳こうとく(遍照山と号し本尊阿弥陀如来。開基宗春。創建年月不詳)がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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