製綱機(読み)せいこうき(その他表記)rope making machine

改訂新版 世界大百科事典 「製綱機」の意味・わかりやすい解説

製綱機 (せいこうき)
rope making machine

糸あるいは針金を撚(よ)り合わせてロープやケーブルなどの綱を作る機械で,繊維用と針金(ワイヤ)用とがあるが,原理はほぼ同じである。次に繊維用の各種機械を工程順に示す。

ストランダーは多数の糸を撚り合わせてロープの構成単位となるストランドを作る機械で,これをクローサーで撚り合わせて綱を作る。スレッドマシンはストランドを作りながら1工程で細い綱を作る。普通のクローサーの原理図を図1に示したが,円板などに取り付けられたストランドフライヤーにストランドをセットし,円板を回転して上撚(じようねん)をかける。上撚のため失われるストランドの撚りを補うためにクランクまたは歯車によってフライヤーの自転を防止している。この装置一例(針金用)を図2に示しておく。B13,C13は歯車で,円板Dに固定された軸のまわりに回転できる。AとDとは,中心は同じであるが,異なった軸に固定されている。B′13ボビンで,針金はB13の中心から外に引き出されている。Aを固定し,AとB13の歯数を同じにしておけばDを回転してもB13は自転しないので,針金はねじれることなく撚り合わされる。レヤーと呼ばれるアメリカ式クローサーは巻取り部分を回転して上撚をかけるもので,ストランダーもこの形式をとる。高速回転用にはハスケル型クローサーが使用される。なお製綱機は力織機を発明したE.カートライトによって考案されたといわれ,昔は長く張った糸に撚りをかけながら上撚をかけ,撚縮みに応じて装置を移動させて作業した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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