複数為替相場制度(読み)ふくすうかわせそうばせいど(その他表記)multiple rates of exchange system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複数為替相場制度」の意味・わかりやすい解説

複数為替相場制度
ふくすうかわせそうばせいど
multiple rates of exchange system

為替取引の内容により,同一通貨に対する為替相場が複数存在する制度であり,為替管理の一手段として利用される。たとえば重要なものの輸出入には有利な為替レート適用し,そうでないものには不利なレートを適用したり,実勢相場にゆだねたりする。こうしたことを通じて国際収支安定や為替相場の安定を間接的にはかる場合もある。発展途上国でこの制度を採用しているところもあるが,国際通貨基金 IMFが原則禁止にしていることもあり,次第に減少している。二重相場制 (貿易取引と金融取引とにそれぞれ別の為替相場を適用) も複数為替相場制度の一種である。

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