西端境界流(読み)せいたんきょうかいりゅう(その他表記)western boundary current

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西端境界流」の意味・わかりやすい解説

西端境界流
せいたんきょうかいりゅう
western boundary current

西岸境界流ともいう。太平洋,大西洋インド洋などの大洋の西端に流れる,黒潮,湾流,ソマリア海流などの強流の総称。地球は自転する球で,球面上に薄く海水が分布している。したがって海水の運動は鉛直運動より水平運動が卓越する。地球上の空気や海水の運動には,地球自転の転向力 (コリオリの力) が働く (2ωsinψ:ωは地球の自転の角速度,ψは緯度) 。コリオリの係数は,極で最大,赤道でゼロとなる。大洋は大気と異なり南北に走る陸岸を持つことから,緯度方向への運動は陸岸の影響で経度方向へ変えられる。経度方向の運動に対して,コリオリ係数の緯度変化が影響する。 H.ストンメルが 1948年に理論的に明らかにし,西端境界流はコリオリ係数の緯度変化によるといわれている。

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