日本大百科全書(ニッポニカ) 「コリオリ」の意味・わかりやすい解説
コリオリ
こりおり
Gaspard Gustave de Coriolis
(1792―1843)
フランスの機械学者。「コリオリの力」で有名。パリに生まれ、1808年エコール・ポリテクニク(理工科大学校)に入学。卒業後、エコール・ド・ポン・エ・ショッセ(土木工科大学)で研究を続け、1816年にエコール・ポリテクニクの解析学・機械学助教授となり、1838年に研究主任となるまで教授を務めた。1836年科学アカデミー会員となった。理論力学が機械の働きについての一般理論でなければならないと考え、1829年『機械の効果の計算について』を出版し、新しい用語法と理論的方法を提出した。とくに、仕事の概念を用いて、活力(運動エネルギー)について1/2mv2という定式化を行った。また、力の合力がゼロであれば、仕事の値は座標系によらないことを示した。その後、動力機械を評価するために座標系の変更による慣性力の考察へと進んだが、とくに回転座標系で現れる「コリオリの力」は地球物理学や弾道学などにとって重要な業績である。
[高田紀代志 2018年7月20日]