精選版 日本国語大辞典 「西院」の意味・読み・例文・類語
さい‐いん‥ヰン【西院】
- [ 一 ] 淳和(じゅんな)天皇退位後の後院となった淳和院の別称。淳和上皇崩後も、皇太后正子がこれに居り、院号を改めないで尼寺とした。山城国葛野(かどの)郡西院(さい)村淳和院(すない)、現在の京都市右京区西大路四条の北辺、西院東淳和院町および西淳和院町の地にある。中世には、旧地にあった高西寺(現在西大路四条にある高山寺)を称した。
- [ 二 ] 京都の地名。平安時代から中世にかけて、[ 一 ]の付近の地名となり、のち葛野郡西院村となった。昭和六年(一九三一)、京都市右京区に編入される。漢字に引かれて俗に「さいいん」ともいわれるが、伝統的な呼称は「さい」であり、現在一般には「さいん」と呼ばれる。
- [ 三 ] 淳和(じゅんな)天皇の別号。
- [初出の実例]「むかし西院の帝と申すみかどおはしましけり」(出典:伊勢物語(10C前)三九)