日本歴史地名大系 「西館古銭出土遺跡」の解説
西館古銭出土遺跡
にしたてこせんしゆつどいせき
[現在地名]水沢市佐倉河 満倉
西館の水田中にある。昭和三七年(一九六二)用水路工事中に古銭が多数発見され、調査の結果すべて中国のもので、漢代(前一一八―後二二〇)五銖より隋・唐・北宋・南宋の各時代および金代の正隆元宝に至る総数三千三七個・四八種に分類された。このうち皇宋通宝三七二個を一位として、元豊通宝・元祐通宝・開元通宝・熙寧元宝などの順となっている。さらに時代別にすると、北宋以前二八九個・北宋二千五二七個・南宋一五〇個・その他七一個となる。わが国の中世社会は貨幣を発行せず、異国銭を輸入してその流通を認めていた時代であったが、これだけの大量の古銭を誰がどんな目的で埋蔵したものか明らかにすることはむずかしい。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報