見聞諸家紋(読み)けんもんしょかもん

改訂新版 世界大百科事典 「見聞諸家紋」の意味・わかりやすい解説

見聞諸家紋 (けんもんしょかもん)

日本最古の家紋集。《東山殿御紋帳》ともいう。編者不詳。応仁文明の乱の東軍武家を主とし,1470年(文明2)8月死去の京極持清を含む,当時の将軍家守護大名評定衆,奉行人,国人等240余家の家紋(図形)約260個を集録する。江戸時代に故実書として多く伝写され,奥書により大別して永正7年(1510)本と天文8年(1539)本の2系統がある。現存最古の岩瀬文庫所蔵本は奥書に〈天文八年卯月十九日 佐々木秀勝(花押)〉とあり,自筆書写と見られるほか,旧彰考館本(東大史料編纂所蔵騰写本)は奥書に〈永正七年庚午三月十七日於立雪斎下書之〉とあって,ともに古体を残している。古体を残す写本は写実風で,文様より紋章への過渡期にあることを示し,比較的合成紋が多い。永正7年本の系統の新井白石筆とされるものは検討を要し,《群書類従》版本同様に今様化されて,図形としてはとるに足りない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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