見送(読み)みおくる

精選版 日本国語大辞典 「見送」の意味・読み・例文・類語

み‐おく・る【見送】

〘他ラ五(四)〙
① 遠ざかっていくものを、その場にいてながめやる。去って行く人の姿を後方から見守る。目送する。
万葉(8C後)二〇・四三七五「松の木(け)の並みたる見れば家人(いはびと)われを美於久流(ミオクル)と立たりしもころ
② 旅立つのを送る。出発する人を送る。送別する。
※竹取(9C末‐10C初)「ここにも心にもあらでかくまかるに、のぼらんをだにみ送り給へ」
③ 屍を葬るのを、墓地まで送って行く。葬送する。
④ 死ぬまで世話をする。亡くなった人の最期を見届ける。
※松翁道話(1814‐46)一「只今では、二親も見送り、子供もござります」
⑤ 見ているだけで手を出さないでいる。そのままにしておく。
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉早慶戦「打者見送(ミオク)って、ボールカウント、ワン・エンド・ツウ」
鳥獣戯話(1960‐62)〈花田清輝〉三「千載一遇の機会を、あっさり、みおくってしまったのだ」
⑥ 取引所で用いる語。相場の見込が立たず、売買をひかえる。

み‐おくり【見送】

〘名〙
① 見送ること。また、その人。
土左(935頃)承平五年一月九日「みおくりに来る人あまたがなかに」
② 取引所で用いる語。相場の様子を見ているだけで売買を控えること。
③ 見ているだけで手を出さないこと。
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉恋の学問「これで、見送(ミオク)りの見事な三振!」
④ 近世和船の船尾の出し屋根の別称。〔和漢船用集(1766)〕

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