親がかり(読み)おやがかり(その他表記)Nedorosl'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「親がかり」の意味・わかりやすい解説

親がかり
おやがかり
Nedorosl'

ロシア劇作家 D.フォンビージンの社会喜劇。 1781年作,82年上演。強欲な田舎地主夫人プロスタコーワは孤児の少女ソフィアの相続する莫大な財産を手に入れるため,豚好きの弟スコチーニンや「親がかり」の息子ミトロファンを使って策を弄するが,啓蒙主義者のソフィアの伯父恋人出現で結局失敗する。農奴制を人間的堕落根源として鋭く風刺する意図がみられ,こうした傾向はのちに N.ゴーゴリらの作品に受継がれていく。

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世界大百科事典(旧版)内の親がかりの言及

【フォンビージン】より

…学生時代から文学に関心をもち,デンマークの作家ホルベアやドイツ,フランスの作家の作品を翻訳した。60年代半ばに一時帝室劇場を管理する職務についたころから演劇に対して興味をいだき,公務のかたわらいずれも5幕の喜劇《旅団長》(1770),《親がかり》(1782)を発表した。前者は旅団長一家と参事官夫妻の間の恋のもつれを筋立てとし,上流社会のフランスかぶれを風刺するとともに,官吏の腐敗ぶりを暴露したもの。…

※「親がかり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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