国指定史跡ガイド 「観音堂石仏」の解説 かんのんどうせきぶつ【観音堂石仏】 福島県南相馬市小高区泉沢薬師前にある石仏群の一つ。観音信仰に基づく平安時代の磨崖仏の一つで、大悲山の中腹にある岩窟内の砂岩の壁に半肉彫りで刻まれている。現在はほとんどが剝離欠損しているが、本来は高さ約5.5m、台座の高さ約2mの十一面千手観音坐像であったと考えられている。また、その両側壁面には、化仏が多数刻まれており、保存状態は良好。これらは二重円光の光背と台座のある賢劫(けんごう)千仏とされる。両面に礼堂が付設されている。日本の仏教美術史上重要な価値をもつものとして、1930年(昭和5)、国の史跡に指定された。JR常磐線小高駅から車で約9分。 出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報