解放令反対一揆(読み)かいほうれいはんたいいっき

山川 日本史小辞典 改訂新版 「解放令反対一揆」の解説

解放令反対一揆
かいほうれいはんたいいっき

解放令反対を要求に掲げた新政府反対一揆。西日本を中心に11府県21件が確認されている。福岡など旧穢多(えた)村を襲撃したり,岡山など殺害に及んだものもある。背景民衆の伝統的世界を破壊する新政への不安,経済的に上昇する近隣旧穢多村への怨恨(えんこん)などが指摘されている。その後も「新平民」などとよび,差別実態に大きな変化はなかった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の解放令反対一揆の言及

【被差別部落】より

… しかしながら,政府の施策としては,この解放令にともなうべき具体策,すなわち被差別部落住民の生活権の保障にかかわる諸施策がまったくなかったために,急速な近代化の傾向のなかで被差別部落の貧困化を助長し,そのことがまた部落差別をいっそう深刻なものとしていった。〈一般民〉は,〈えた〉〈非人〉が〈平民同様〉の身分に引き上げられたことを喜ばず,逆に,〈一般民〉が〈えた〉〈非人〉と同じ地位へと格下げされたのと同然であると解し,露骨ないやがらせはいうまでもなく,とくに西日本各地では〈えた〉〈非人〉の解放に反対する激しい実力行動(解放令反対一揆)を起こして被差別部落を襲撃し,集団的危害を加えた。伝統的な身分意識によることではあったが,当時の国内状況においては,近代化のための諸政策が民衆の生活にもたらしていた矛盾への不満のはけぐちに被差別部落が選ばれ,迫害の対象にされたのである。…

※「解放令反対一揆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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