言ひ立つ(読み)イイタツ

デジタル大辞泉 「言ひ立つ」の意味・読み・例文・類語

いい‐た・つ〔いひ‐〕【言ひ立つ】

[動タ四]
ものを言いながら立っている。
「物をいと久しう―・ち給へれば」〈・四九〉
言い始める。
「同じくは、さらば帝の御上よりこそ―・ちなめ」〈無名草子
うわさが立つ。
「いかにして死ぬるやらんと、心も得ざりけるほどに、この岩のある故ぞ、と―・ちにけり」〈宇治拾遺・二〉
[動タ下二]いいたてる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言ひ立つ」の意味・読み・例文・類語

いい‐た・ついひ‥【言立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行四段活用 〙
    1. (物を)言って立っている。
      1. [初出の実例]「猶、犬からすにもくれて、こめすゑたらましものをといひたち給つるを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
    2. 言い始める。言い出す。
      1. [初出の実例]「かくいひたちてとどまりたらむ、いとをこならむ」(出典:落窪物語(10C後)三)
    3. 自然にうわさが立つ。人々の評判になる。
      1. [初出の実例]「いかにして死ぬるやらんと、心も得ざりける程に、此いはのある故ぞといひたちにけり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙いいたてる(言立)

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