精選版 日本国語大辞典 「言立」の意味・読み・例文・類語
いい‐たていひ‥【言立】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「いいたてる(言立)」の連用形の名詞化。「いいだて」とも )
- ① 特に取り立てて言うこと。強く主張すること。
- [初出の実例]「只今禍ができさうらわうぞと云て、云立にするぞ」(出典:史記抄(1477)一五)
- 「わごりょは何も云立にする様な芸は覚へぬが、何と云立にするぞ」(出典:虎寛本狂言・八幡の前(室町末‐近世初))
- ② 事柄を述べ立てて主張すること。また、主張の口実。理由。
- ③ 宣伝の口上。また、それをする人。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「『いつもの通り、白酒の言ひ立てが』『所望ぢゃ所望ぢゃ』」(出典:歌舞伎・助六廓夜桜(1779))
- ④ 歌舞伎舞台における口上の一つ。延年舞曲、猿若の雄弁術の系統を引くもの。たとえば「すまいのゆいたて」(寛文七年(一六六七)、相撲の言ひ立て)、「芝居の言たて」(同八年、狂言の始めに小舞庄左衛門が述べた)、「名所の言立」(同一三年、若衆方小勘が述べた)などの類。
- ⑤ 俳諧で、物事を興味深く言いまわすこと。また、その句。⇔見立て