精選版 日本国語大辞典「御上」の解説
お‐うえ ‥うへ【御上】
〘名〙 (「お」は接頭語)
① 主人や目上の人の妻を敬って呼ぶ語。御上様。
※玉塵抄(1563)一七「龍安寺どのの御上は山名の金吾のむすめなり」
② 主婦の居間。茶の間。
※太閤記(1625)一三「一 山里おうへ 十間に十一間」
※浄瑠璃・曾根崎心中(1703)「走り出んと思へ共、おうへには亭主夫婦、〈略〉にはでは下女がやくたいの目がしげければさもならず」
③ 土間などに対して、畳の敷いてある部屋。座敷。
※玉塵抄(1563)二九「高祖のくわんらくげで面えもぢいで御上(ウヘ)にいてたれにもあわれなんだぞ」
お‐のぼり【御上】
〘名〙 (「お」は接頭語。本来、都へ行くことの丁寧表現)
① 上京すること。また、都見物などのため田舎から出てきた人を軽んじていう語。
※洒落本・箱まくら(1822)上「此の客はおのぼりゆゑ、ながき事もなしと、心でうなづき」
② 田舎ふうであること。
※当世花詞粋仙人(1832)「いなかめいた事、おのぼりじゃ」
お‐あがり【御上】
〘名〙 (「お」は接頭語)
① 上がることをうやまっていう語。
※歌舞伎・蝶鶼山崎踊(1819)四幕「わっちらは拝まうと思っても(月の)お上がりの時分は眠ったい盛りだよ」
② 「たべもの(食物)」の尊敬語。召し上がり物。
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