言出づ(読み)コチズ

デジタル大辞泉 「言出づ」の意味・読み・例文・類語

こち・ず〔こちづ〕【出づ】

[動ダ下二]《「ことい(言出)づ」の音変化》口に出して言う。
足柄のみ坂恐かしこみ曇り夜の下延したばへを―・でつるかも」〈・三三七一〉

こと‐い・ず〔‐いづ〕【言出づ】

[動ダ下二]
言い出す。ことず。
「おほなおほな―・づる事を物憂くはもてなすべきぞ」〈・早蕨〉
楽器の音を出す。
想夫恋さうふれんは、心とさしすぎて―・で給はむや」〈横笛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言出づ」の意味・読み・例文・類語

こと‐い・ず‥いづ【言出】

  1. 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙
  2. ことばに出す。口に出していう。ことず。
    1. [初出の実例]「たはやすくこと出づべきことにもあらねば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. 楽器の音や音声を出す。
    1. [初出の実例]「想夫恋は、心とさしすぎてこと出で給はんや、憎き事に侍らまし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)横笛)

こち‐・ず‥づ【言出】

  1. 〘 他動詞 ダ下二段活用 〙 ( 「こといづ(言出)」の変化した語 ) ことばに出して言う。
    1. [初出の実例]「足柄のみ坂畏(かしこ)み曇夜の吾が下延(したばへ)を許知弖(コチデ)つるかも」(出典万葉集(8C後)一四・三三七一)

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