言慣れる(読み)イイナレル

デジタル大辞泉 「言慣れる」の意味・読み・例文・類語

いい‐な・れる〔いひ‐〕【言(い)慣れる/言い×馴れる】

[動ラ下一][文]いひな・る[ラ下二]
言うことにすっかり慣れている。言いつける。「―・れた旧姓で呼んでしまう」
言い寄ってなれ親しむ。
「こと多く―・れたらむ方にぞなびかむかし」〈末摘花
表現が練れていて巧みである。
ことばも―・れ、姿も詠みすまされ侍る」〈今鏡・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言慣れる」の意味・読み・例文・類語

いい‐な・れるいひ‥【言慣・言馴】

  1. 〘 他動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いひな・る 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 言うことになれている。ものなれた態度で言う。
    1. [初出の実例]「きたれどもいひしなれねば鶯の君に告げよとをしへてぞなく」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)
  3. 言い寄ってなれ親しむ。気のおけない関係である。
    1. [初出の実例]「こと多くいひなれたらむかたにぞ靡かむかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  4. 言い方が熟している。よく練れた表現である。言葉づかいが洗練されている。
    1. [初出の実例]「岡の梢の色をおもふなどいへるも、云なれてをかしさまさりたるにや」(出典:類従本元永元年十月二日内大臣忠通歌合(1118))

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