言慣・言馴(読み)いいなれる

精選版 日本国語大辞典 「言慣・言馴」の意味・読み・例文・類語

いい‐な・れる いひ‥【言慣・言馴】

〘他ラ下一〙 いひな・る 〘他ラ下二〙
① 言うことになれている。ものなれた態度で言う。
大和(947‐957頃)一七三「きたれどもいひしなれねば鶯の君に告げよとをしへてぞなく」
② 言い寄ってなれ親しむ。気のおけない関係である。
源氏(1001‐14頃)末摘花「こと多くいひなれたらむかたにぞ靡かむかし」
③ 言い方が熟している。よく練れた表現である。言葉づかいが洗練されている。
※類従本元永元年十月二日内大臣忠通歌合(1118)「岡の梢の色をおもふなどいへるも、云なれてをかしさまさりたるにや」

いい‐なら・す いひ‥【言慣・言馴】

〘他サ四〙
① 言って従わせる。口説き落とす。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)紅梅「まことにいひならさんと、思ふところあるにやと」
口癖のように言う。そのことを言うのが習慣のようになっている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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