日本には九世紀前後に渡来したらしく、「古今集」撰者時代から目立って歌われるようになる。既に渡来していた白梅が、その白さを雪によそえられたり凜冽な薫りを讚えられたりしたのに対して、「紅に色をばかへて梅の花香ぞことごとににほはざりける〈凡河内躬恒〉」〔後撰集‐春上〕とその華やかな色を愛でたり、「嘆きつつ涙に染むる花の色の思ふほどよりうすくもあるかな」〔能宣集〕と紅の涙に譬えたりしているが、和歌では「紅梅」とはいわない。「紅梅」が仮名文に見えるのは「蜻蛉日記」が早く、白梅は「むめ・紅梅・柳・桜」〔宇津保‐吹上〕のように単に「うめ」といわれることが多かった。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…人前で着るものとして扱われなかったゆかたが,男女ともに外出にも着るようになったのは明治中期以後,上物ができたからである。現在でも女物の紅梅(こうばい),綿絽(めんろ),綿縮(めんちぢみ)などの中形(ちゆうがた)染や長板本染中形(ながいたほんぞめちゆうがた)の高級ゆかたは,八寸名古屋帯をお太鼓に締めて街着とする。家庭用は裾除(すそよけ)をつけて素肌に着,半幅帯を締めるが,街着とする高級ゆかたには半じゅばんを着る。…
※「紅梅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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