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記号学 きごうがくsemiotics

翻訳|semiotics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

記号学
きごうがく
semiotics

記号論 semiologyともいう。ギリシア語 sēma (記号) に由来し,記号およびその意味連関を研究する学問。古くから哲学者の関心をひき,言語学者ではソシュールが言語学を記号学のなかに位置づけて研究の方向を示唆したが,学問として体系づけられたのは C.パース,C.W.モリスらによる。モリスは記号学を次の3分野に分けた。 (1) 語用論 pragmatics 記号とその使用者との関係を研究する。 (2) 意味論 semantics 記号とそれがさすものとの関係を研究する。 (3) 構文論 syntax 一体系内の記号同士の関係を研究する。記号学は現代の言語学,論理学のみならず,情報理論,コミュニケーション理論に大きな貢献をなしつつある。また,特にフランスの構造主義者たちによって,さまざまの文化・社会現象の記号学的解釈が試みられている。 (→言語記号 )  

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大辞林 第三版の解説

きごうがく【記号学】

他の事物を代理し表現する記号の機能に着目し、信号・図像・指標・象徴・観念と表象といった、多様な記号が織りなす構造を手がかりとして、文化全体の分析をめざす学問。パース・ソシュール・ヤコブソンなどが有名。記号論。

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世界大百科事典内の記号学の言及

【ソシュール】より

…そのインパクトは言語学にとどまらず,文化人類学(レビ・ストロース),哲学(メルロー・ポンティ),文学(R.バルト),精神分析学(J.ラカン)といったさまざまな分野において継承発展され,20世紀人間諸科学の方法論とエピステモロジーにおける〈実体概念から関係概念へ〉というパラダイム変換を用意した。また,1955年以降,ゴデルR.Godelによって発見された未刊手稿や講義録(Les sources manuscrites du Cours de linguistique générale,1957)のおかげで,それまでのソシュール像は大きく修正され,さらにエングラーR.Englerの精緻なテキスト・クリティークによる校定版(Cours de linguistique générale,edition critique,1967‐68,1974),スタロビンスキJ.Starobinskiのアナグラム資料(Les mots sous les mots:Les anagramme de F.de Saussure,1971)によれば,ソシュールの理論的実践分野は,一般言語学と記号学sémiologieの2領域に大別することができる。
[一般言語学]
 弱冠21歳で発表した《インド・ヨーロッパ諸語における母音の原初体系に関する覚書Mémoire sur le système primitif des voyelles dans les langues indo‐européennes》(1878)は少壮(青年)文法学派の業績の一つと考えられていたが,これはすでに従来の歴史言語学への批判の書であり,その関係論的視座は1894年ころまでに完成したと思われる一般言語学理論と通底するものであった。…

【パース】より

…アメリカの自然科学者,論理学者,哲学者。プラグマティズムの始祖で,現代記号学(記号に関する一般理論)の創設者のひとり。また記号論理学,数学基礎論,および科学方法論の現代的発展における先駆者のひとりでもあり,〈合衆国が生んだ最も多才で,最も深遠な,そして最も独創的な哲学者〉と言われる。…

【バルト】より

…制度としての〈言語=文化=社会〉のなかでひそかに人々に働きかけているさまざまの〈擬自然〉の暗黙の意味作用を分析しつづけた。ある種のことばづかいの型すなわちエクリチュール(文章態)が発揮する隠れた作用の解明から出発し,やがて広く文学・社会の諸現象にひそむ記号(意味)作用を分析する構造主義的記号学の開拓者のひとりとなる。しかし,のちには体系的な記号学に疑念を抱くにいたり,文学としての記号学とでもいうべき方向へ転じた。…

【モリス】より

…アメリカの哲学者,記号学者。アメリカにおける論理実証主義,統一科学運動の指導者のひとり。…

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