訛る(読み)ナマル

デジタル大辞泉 「訛る」の意味・読み・例文・類語

なま・る【×訛る】

[動ラ五(四)]ある地方特有の発音をする。標準語共通語とは異なった発音をする。
[補説]多く方言にいうが、「『けったい』は『きたい(希体)』のなまった形である」というふうにも使う。

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精選版 日本国語大辞典 「訛る」の意味・読み・例文・類語

なま・る【訛】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 言葉や発音がくずれる。また、そのような言い方をする。標準的でない言い方をする。よこなまる。
    1. [初出の実例]「ゐたりける所の北のかたに声なまりたる人のものいひけるを聞きて」(出典:金葉和歌集(1124‐27)連歌・六四〇・詞書)
    2. 「垣内家をしょうくいと呼んでいるのは、正福院が訛(ナマ)ったものである」(出典:助左衛門四代記(1963)〈有吉佐和子〉)

訛るの語誌

「訛」について、「書紀‐神武即位前」に「訛、此をば与許奈磨盧(ヨコナマル)と云ふ」とある。平安後期以降「なまる」が多く用いられるようになるが、一方、「色葉字類抄」に「訛 タミタリ」とあり、「だぶ」「だむ」もほぼ同じ意味で使われた。現代ではもっぱら「なまる」が用いられ、「だむ」は「だみ声」などに残っている。

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