…最初に,デーゲンコルプH.Degenkolb(1832‐1909)らは,訴権とは訴えによって訴訟を開始させ,適式な審理の下に,なんらかの判決を求める権利である,と唱えた。ここにいう判決の中には,本案判決はもちろん,実質審理に入らず訴えを不適法として却下する判決(訴訟判決)も含まれるので,抽象的訴権説と呼ばれた。これに対しては,訴えが提起された以上,裁判所はなんらかの応答を強いられるのは当然であり,同説は結局起訴の自由を述べたにすぎず,かかる自由をもって公権ということはできないとするコーラーJ.Kohler(1849‐1919)らの批判を招いた(訴権否定説。…
…当事者適格は,訴訟追行権とも呼ばれ,これを有する者を正当な当事者という。当事者適格は訴訟要件であり,その欠缺(けんけつ)に対しては訴訟判決(実質審理にはいらず訴えを不適法として却下する判決)がなされる。通常,訴訟物につき対立した利害関係の帰属主体であると主張する者が正当な当事者である。…
… 民事訴訟では,訴訟要件が欠如するときは訴え却下の判決をする。この訴え却下の判決は,訴訟判決とよばれ,訴えの内容となっている権利関係については,その存否についてはまったく触れない。権利関係を判断したうえでなされる判決を,訴訟判決に対し,本案判決といい,その中には,原告の請求を承認する請求認容の判決と,それを否定する請求棄却の判決がある。…
…
[判決の種類]
(1)民事訴訟 第一審から第三審までの各裁判所が,その審級ごとに事件について最終的に言い渡す判決を,終局判決といい(民事訴訟法243条1項),その終局判決が言い渡されるまで,訴訟手続において中間的に派生した一定の争いを解決する判決を,中間判決という(245条)。終局判決は,事件の全部を解決するか一部を解決するかで,全部判決,一部判決に分かれ(243条2項,3項),また,本案判決,訴訟判決にも分かれる。本案判決とは,請求の当否について行われる判決で,請求を正当と認める判決を,請求認容判決,請求を不当として退ける判決を,請求棄却判決という。…
…民事訴訟法上,その意味は使用される局面(場所)によって,いろいろに理解されている。たとえば訴訟判決(訴訟要件または上訴の要件が欠けているため,請求の当否について判断をせずに訴えまたは上訴をしりぞける判決)に対するものとして〈本案〉判決という言葉が使用されているが,この場合における本案は原告の請求(訴訟物)そのものを表し,したがってまた本案判決は訴えの適否ではなくて,その中身に相当する請求の当否に関する判決を意味する。また訴訟費用の裁判とか仮執行宣言に対して〈本案〉の裁判という語を用いる場合があるが(民事訴訟法67条2項,260条),この場合の本案は事件そのものを意味する。…
※「訴訟判決」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加