普及版 字通 「詒」の読み・字形・画数・意味
詒
12画
[字訓] おくる・あざむく
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は台(い)。〔説文〕三上に「相ひ欺詒するなり」と欺く意とするのは、〔爾雅、釈詁〕「欺くなり」の訓による。また「一に曰く、(おく)るなり」とあり、〔詩、大雅、文王有声〕「厥(そ)の孫に謀を詒(おく)る」、〔書、金〕「乃ち詩を爲(つく)りて以て王に詒る」とあり、この方が古訓。台は厶(し)(初形は(すき))を祓う儀礼。その祝詞を神に伝えることをいう。
[訓義]
1. おくる、つたえる、贈与する。
2. ことばだけで伝えて、あざむく。紿(たい)の音でよむ。紿と通用の訓。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕詒 オクル・ノコス・ツタフ・オクラヌカ 〔字鏡集〕詒 ノコル・アザケル・ツグル・オクル・ツタフ
[語系]
詒・貽jiは同声。祝福をおくるを詒、財をおくるを貽という。紿・詒dは同声。欺詒するをいう。
[熟語]
詒肄▶・詒託▶・詒謀▶・詒欺▶
[下接語]
饋詒・欺詒・致詒
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報