朝日日本歴史人物事典 「詫磨勝賀」の解説
詫磨勝賀
平安末・鎌倉初期に活躍した詫磨派の画家。為遠の子。俗名は為基。元暦1(1184)年法橋に,元久1(1204)年までに法眼となる。公家や神護寺,東寺の依頼で絵を制作し,図像に関して天台宗の高僧慈円と対立したり,「八条先生」の尊称で呼ばれるなど,当時の絵師としては類まれな高い地位にあった有力画家らしい。現存作に「十二天屏風」(1191,東寺蔵)などがある。この作品は従来の様式・技法によりながらも,描線の肥痩と色感に新しさがみられる。中国・宋画からの新たな影響も想定される。
(救仁郷秀明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報