精選版 日本国語大辞典 「読み人不知」の意味・読み・例文・類語
よみびと‐しらず【読人不知・詠人不知】
- 〘 名詞 〙
- ① 歌をよんだ人が誰かわからないこと。和歌や連歌の撰集で、作者が不明の場合や事情があって氏名の明記を避けた場合、作者名の位置に記す語。
- [初出の実例]「題しらず よみ人しらず」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・三)
- ② 転じて、それをした者が、誰かわからないこと。
- [初出の実例]「入レ夜有二焼亡一。三条大納言宅云々。押二寄多勢一放火云々。畠山沙汰歟。読人不レ知之体也」(出典:十輪院内府記‐文明一八年(1486)四月三日)
読み人不知の語誌
「万葉集」には「作者未詳」「作者不審姓名」などとあるが、「古今集」以降は、「よみびとしらず」が作者不明を示す用語となった。