読掛ける（読み）ヨミカケル

デジタル大辞泉

よみ‐か・ける【読（み）掛ける】

［動カ下一］［文］よみか・く［カ下二］
１ 読みはじめる。また、途中まで読む。「―・けたらおもしろくてやめられない」「―・けたまま外出する」
２ （ふつう「詠み掛ける」と書く）歌を詠んで、その返歌を求める。
「すさまじきをりをり、―・けたるこそ、ものしきことなれ」〈源・帚木〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

よみ‐か・ける【読掛・詠掛】

1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
   [ 文語形 ]よみか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
2. ① 読みはじめる。
3. ② 途中まで読む。読みさす。
   1. [初出の実例]「人の読懸(ヨミカケ)て置きたる大般若の唐櫃三あり」(出典：太平記（１４Ｃ後）五)
4. ③ 相手を目ざして歌などをよんで、返しを求める。よみ送る。
   1. [初出の実例]「よりてものなどいへど、いらへざりければよみかくる」(出典：公忠集（986‐999）)
5. ④ 相手に文章を読んで聞かせる。また、呪文などを唱えかける。
   1. [初出の実例]「其所に船を浮べて、海の上に物を書て、物を読懸て」(出典：今昔物語集（1120頃か）二四)

出典　精選版 日本国語大辞典