調停離婚(読み)チョウテイリコン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「調停離婚」の意味・わかりやすい解説

調停離婚
ちょうていりこん

家庭裁判所の家事調停によって成立する離婚。調停調書に記載されたときに離婚の効力は生じ、その後に行われる離婚届は報告的意味をもつ。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「調停離婚」の解説

調停離婚

家庭裁判所の調停によって成立する離婚。協議離婚が成立しない時、当事者は、まず家庭裁判所へ離婚の調停を申し立てる。いきなり離婚訴訟(裁判)は提起できず、原則として調停を申し立て、調停離婚が成立しなかった場合に初めて裁判ができ、これを調停前置という。調停では調停委員が当事者双方の主張を聞き、調査証拠調べをしながら話し合い、合意の上での解決を図る。離婚の合意が成立し、調停調書に記載されると、確定判決と同じ効力があり、直ちに離婚が成立する。

(吉岡寛 弁護士 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の調停離婚の言及

【離婚】より

…ちなみにタイ,ミャンマー(ビルマ),ベトナムやスウェーデンなどにも協議離婚の制度はあるが,裁判所等の公機関による離婚意思の確認が行われることにおいて,日本とは相違している。 日本では第2次大戦後,家庭裁判所が創設され,協議が調わない離婚についての紛争は,まず,必ず家庭裁判所の調停にかけられ(調停前置主義),そこで〈調停離婚〉が成立しないか,審判で離婚を宣せられたもの(〈審判離婚〉)が確定しなかったかの場合のみ,訴訟として〈裁判離婚〉の審理に持ち込むという新しいシステムがとられた。審判離婚は,2週間以内に異議の申立てがあれば失効する点を除けば,簡易な形をとった一種の裁判離婚であるが,調停離婚は,両当事者の離婚合意を斡旋したものであるから,その本質は協議離婚の一種といえる。…

※「調停離婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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